リンパ管疾患とは?
リンパ管に異常が生じることによっておこる疾患の総称です。管の中を流れるリンパ液に問題があるわけではありません。具体的には、リンパ管の太さが一定でなくなったり、リンパ液を一方向に流す上で必要な弁が形成されていなかったり、もしくはうまく働かなかったり、そういったことが体の特定のエリアで起こる疾患です。なぜリンパ管に異常が生じるのか、どのタイミングで生じるのかなどはまだ明らかになってい
ません。先天性であることが多く、小児期に発症することがほとんどですが、患者さんが少なく、未だ分からないこともたくさんあります。
現時点でわかっている主な疾患の関係性はこのようになります。
組織を顕微鏡で見ると同じでも症状が大きく異なったりして、違う疾患なのか同じ疾患なのか、わかっていないものも多くあります。そのため、これらを分類して正確に診断することはとても難しいのが現状です。
リンパ管腫、リンパ管腫症、ゴーハム病は
特に似た症状を示すことがあり、診断が困難ですが、現時点ではこのように整理されています。(厚労科研難治性疾患政策研究事業「難治性血管腫・血管奇形・リンパ管腫・リンパ管腫症および関連疾患についての調査研究」班)
また、血管腫・脈管奇形の国際学会であるISSVA(International Society for the Study of Vascular Anomalies)が提唱するISSVA分類という基準があり、国際的な標準となりつつあります。ISSVAの分類とこれまで日本で使われてきた疾患名の定義が、完全に一致しないものもありますが、現在は概ねこのように捉えられています。リンパ管の研究は世界的に進んでおり、今後も分類や疾患の定義などの精度は上がっていくと考えられます。
(2017年10月1日)
血管腫・血管奇形ってなに?最新の薬物療法について
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