総論

リンパ管腫の総論

リンパ管腫は大小様々のリンパ嚢胞が集簇した病変である。vascular malformation(脈管奇形)のひとつリンパ管奇形(lymphatic malformation)と分類されたり、一種の過誤腫、良性腫瘍とされたりする。体表から病変部は膨隆して見え、触れると柔らかく弾性があることが多い。

リンパ管腫では、嚢胞の大きさが1 mm以下のものから数cmに達するものまで様々なものが混在しているが、大きく分けて、嚢胞部分の体積が大きいものを嚢胞型リンパ管腫、嚢胞は非常に小さく嚢胞以外の間質成分が多いものが海綿状型リンパ管腫、またその中間の混合型と呼ばれている(診断<病理>の項参照)。

リンパ管腫は全身どこにでも発生しうるが、頚部や腋窩に特に多い(発生部位の項参照)。病変全体の大きさは数cmから数十cmのものまで様々です。

リンパ管腫の大多数は出生時や2歳以下の小児に発症する。体の成長と同じペースで大きくなることが多いと考えられていますが、自然消失することもあるし、逆に大きく膨らんでいくこともあります。悪性ではなく、転移することはないと考えられているが、リンパ管腫症と呼ばれる病態では、浸潤性を示したり病変が多発することがある(関連疾患の項参照)。

多くの場合、治療が有効で病変を縮小もしくは消失させることが出来ます。しかし、一部には、病変が大きく複雑に広がっていて、治療が困難な場合もあります(治療の項参照)。

リンパ管腫に関する基礎的・生物学的な研究は進められているが、その発生原因は依然として不明である(病因論、基礎研究の項参照)。
(2011年10月8日)

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