病理組織
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(2011年10月8日)
嚢胞内容液
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(2011年10月8日)
画像診断
リンパ管腫は海綿状型と嚢胞型の2つに大きく分類される。海綿状型は主に皮下組織(舌、口腔内、筋肉内)、嚢胞型は頸部、腋窩に多い。リンパ管腫の75%は頸部に、20%は腋窩に発生する。頸部に発生したリンパ管腫のうち3〜10%は縦隔への伸展を認める。頸部リンパ管腫は後頸三角に認めることが多く、波動を伴う無痛性軟部腫瘤として発見されることが多い。通常は緩徐な発育を示すが、感染、外傷に伴い、急速な増大を示す場合がある。画像検査の中心は超音波検査であり、サイズが大きい場合や周辺臓器との関係をみるにはCTやMRIが有用である。以下に各画像診断所見を示す。
(2011年10月8日)
内部に隔壁を有する多房性嚢胞性腫瘤として認める。嚢胞壁の厚さは様々であるが、薄いことが多い。カラードプラでは腫瘤内への血流は認めない。嚢胞内のエコー輝度は、内部の液体の性状に依存するが典型例は無〜低エコーを示す。感染や出血を合併している場合は、内部が高エコーであったり、液面形成を呈する。
腫瘤は低吸収を示し、単房性または多房性嚢胞腫瘤である。内部の隔壁構造は超音波より不明瞭なことが多い。通常、腫瘤には造影効果は認めない。
MRIはCTと比較して腫瘤の性状がより詳細に描出できる。特にT2強調像では腫瘤の伸展、周囲組織との関係の把握が容易である。一般的に病変はT1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す。腫瘤内に出血や蛋白成分が混在している場合、T1強調像で高信号を示す部分もあり、嚢胞内の性状により信号強度に差を認める。また、液面形成を認めることもある。
頸部腫瘤の鑑別診断には、頸部リンパ管腫の他に、奇形腫、血管腫があげられる。奇形腫は嚢胞成分と充実成分で構成され、内部に石灰化や脂肪成分を伴うことが特徴である。超音波では、充実成分への血流や内部を走行する血管構造を認める。CTでは、石灰化や骨破壊像が明瞭に評価できる。MRIは、腫瘤内の脂肪成分の検出に優れており、脂肪組織があればリンパ管腫と鑑別できる。血管腫は超音波では、低エコー腫瘤として描出され、カラードプラーで腫瘤内に血流を認める。CTで、腫瘤は低吸収に認められ、腫瘤内に石灰化を伴うこともある。造影CTでは、徐々に腫瘤への造影効果を認める。MRIではT1強調像で中等度、T2強調像で高信号を呈す。腫瘍周囲及び内部に、血管腫への早い血流を示すflow voidを認める。造影MRIで顕著な造影増強効果を認める。病変の退縮期には脂肪変性を認める。
(2011年10月8日)